10月2日(金)に控えた本作の公開を記念して【公開直前イベント】を実施致しました。
ダブル主演の佐藤大樹さん、橋本環奈さんをはじめ、佐藤流司さん、杏花さん、莉子さん、坂口涼太郎さん、片岡愛之助さん、そして久保茂昭監督が登壇しました!
冒頭、まもなく公開される心境を聞かれると、ナイーブで売れない小説家・千谷一也を演じた佐藤大樹さんは「この映画をたくさんの皆さまにに届けられると思うととても嬉しかったです。撮っているときから、並々ならぬ思いで挑んだ作品です。多くの方に届けられば幸いです」と語り、公開決定について佐藤大樹さんから直接祝福されたという久保監督も「公開が決まった時は、大樹と喜びを分かち合いました。原作を読んだ時から真っ先に一也は大樹に演じて欲しいと思っていました。5月の公開が延期になった時は不安でしたが、キャストのみなさんのおかげですぐに公開できると思っていました」と心情を明かしました。
続いてドSな人気小説家・小余綾詩凪を演じた橋本さんは「純粋に嬉しかったです。作品によっては映画のスクリーンでなくても楽しめるような公開の仕方もあります。そのような中でも、映画館に来たいなと思って欲しいですし、映画館のスクリーンで観るからこそ楽しんでいただける作品だと思っています」と回答。
また、本作が初共演となる佐藤大樹さんと橋本さんが、お互いの第一印象について「橋本さんは他の作品でもツンツンした役をされているイメージがあったのでそういうキャラクターなのかなと思っていました。ですが、初めてお会いした台本読みの際に、コンビニ袋のようなものを一つだけ持ってさらっと来られたところを見て、フランクな方なんだなあと思いました。国民的に愛される理由が分かります。現場のみんながファンになりました」(佐藤大樹)、「パフォーマーでもあり、お芝居をされるイメージもあり、お会いするのが楽しみでした。撮影の前日には、ほぼみんな初対面の4人(佐藤大樹、橋本、佐藤流司、杏花)で食事に行きました。そのときに、大樹くんは人見知りせず誰とでも仲良くなれる、年上にも年下にも好かれる方だなと思いました」(橋本)と明かし、キャスト陣の仲の良さがうかがえました。
そんな2人との共演について、所属する文芸部の頼れる部長・九ノ里正樹を演じた佐藤流司さんに尋ねると「取材では仲がいいと言っていますが、裏ではコーヒーを買ってこいと言われていました…」と冗談を言うと、橋本さんがすかさず「活字にすると本当っぽく聞こえちゃうから」とツッコミ。その軽快な掛け合いに、登壇者一同爆笑。自身が高校生役を演じることについては「高校生なので現場づくりが何より大事だと思っていました。高校生らしい仲の良さは、居酒屋ではなく部室でこそ成立すると思いました。なので、一生懸命話しかけましたよ。無視されましたが…」と最後はまたも冗談を交えつつ当時を振り返った。文芸部の新入部員・成瀬秋乃役の杏花さんは、本編ではメガネ姿が印象的。実はこれは自身のアイデアだそうで「オーディションのときに、劇中シーンの原稿を渡されたんです。それを読んだときに、秋乃はメガネでオドオドした子だよなあと想像していったんです。メガネがないと秋乃になれない自分はいました」と本作にかける熱い思いを語りました。
続いて、本作が映画初出演となる、一也の妹・雛子を演じた莉子さんは、初めての撮影現場について聞かれると「当日は本当に緊張しましたが、久保監督から役作りの仕方を基礎から学ぶことができ、人間としても成長出来ました」と答えた。また、現場では”お兄ちゃん”役の佐藤大樹が、緊張をほぐすために、撮影の小道具として使用した色紙に直筆でメッセージを書いて「俺が書いたのはどれか分かる?」と話しかけてくれていたことを明かし、「私は一人っ子ですが、もしお兄ちゃんがいたらこんな感じなのかなと思いました」と語った。佐藤大樹さんも、「妹がいる役を演じるのは初めてだったので。美術さんに相談して、7パターンくらい筆跡を変えて書かせてもらいました。話しかけるきっかけを作りたかったんです」と述べると、他の出演者から「優しい〜」との声が上がりました。
一也のデビュー作の担当編集者・野中を演じた坂口涼太郎さんは、編集者という役作りにおいて「2つのシーンで、一也くんの心を大きくゆり動かさなければならなかったのですが、どうやって大樹くんの心を天国と地獄にふるのか、という点は悩みました。また、台本ではセリフが途中で途切れていたので、アドリブでほめちぎったり、傷つけたりしていました。完成した本編を観ると、そのアドリブも割と使われていたので、監督に感謝しています」と明かしました。
本作でキーパーソンとなる小説家だった一也の父・千谷昌也を演じた片岡愛之助さんは、「おネエではなく、今回はお父さんの役です(笑)。台本を読んだとき、昌也は家庭を顧みず、執筆する背中を一也に見せているのだと思いました。撮影の際は、一也の幼少期を演じた子役さんと二人で芝居をしていましたが、切ないものが多かったですね」と撮影当時を振り返ってコメント。ドラマ「半沢直樹」での怪演が記憶に新しいが、本作では全く違う“父親”の表情を見せている片岡さんの演技を久保監督も絶賛。一也にとって父親である昌也は「一言で言うとトラウマです。一也の心情を全てマイナスにもっていくように最初は描きました。片岡さんもそう汲み取ってくださって、目をあわせない演技などアドバイスを下さりました」と語りました。
劇中での共演はなかった佐藤大樹さんと片岡さんですが、佐藤大樹さんは本編で片岡さんの演技を観て「最近では色んな番組で拝見していますが、本当に懐の広い方で、何を言っても乗ってくださる。また、表情だけでこんなにも語る俳優さんはなかなかいないと思います。お芝居に対する熱意や心構えが素晴らしい方です」と尊敬のコメントをされました。
続いて話題は本作の中でもとてもインパクトのある、詩凪が一也を思い切り平手打ちするシーンについて。このシーンについて聞かれると、佐藤大樹さんは「実は『HiGH&LOW』で岩田さんにビンタされるシーンがあったんですが、その時も久保監督からは何も聞かされていなかったんです。今回も、最初はビンタは一回と聞いていたんですが、実際はもっと多かったです」と語ると、橋本さんは「久保さんから『大樹が引っ叩かれるところをが見たい』と言われていました。ビンタのシーンが、一番久保さんがにこやかでした」と明かす。また、「『全然痛くないから』と(佐藤大樹さんが)現場の雰囲気のため言ってくれていましたが、本番は渾身の力で叩いたので痛かったと思います」と橋本さんが続けると、「めっちゃ痛かったです」と佐藤大樹さん。二人の役者魂がうかがえました。
ここで、映画のタイトル『小説の神様』にちなみ、佐藤大樹さんと橋本さんがお互いを「〇〇の神様」で例えることに!佐藤大樹さんは橋本さんを【コミュ力の神様】と紹介。「年齢に関係なく、とにかく誰とでも仲良くなれる方です。猫界のチャオチュールのような存在。懐に入るのがうまいです」とその理由を語る。一方の橋本さんは佐藤大樹さんを【令和のマルチ神様】と表し、「ボケるときに令和の○○だとよく言っていたので。また、パフォーマーとしても素晴らしいですし、お芝居も、お話も、マルチに活躍できる方です」と褒めながらも、佐藤大樹さんが”令和”というキーワードを使いたがる、という少し恥ずかしいエピソードも紹介。劇中のナイーブな一也とドSな詩凪を彷彿とさせる展開となった。
最後に、これから作品を観る方々に向け「企画から考えると2年以上が経ちました。小説にスポットを当てていますが、どの職業でも必ず共感する、胸に刺さるようなテーマになっていると思います。お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんでも楽しんでいただける作品です。みんなで情熱を注いで、並々ならぬ思いで作り上げました。ぜひ、胸をアツくしていただければと思います。こだわりの音楽も映像美も、一度でなく2回、3回と楽しんでいただければ」(佐藤大樹)、「高校生2人が小説を共作するストーリーです。好きを諦めないということは傷つくこともありますが、挫折しそうになるときに背中を押してくれる、心に刺さる作品だと思います」(橋本)とメッセージが送られ、和気藹々とした雰囲気の中イベントは終了しました。
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